海の底/シアター!

今日も昔の記憶を掘り出しながら記事を書いていこうと思います.

今回紹介するのは私が中高生の頃に読んだ有川浩さんの2作品です.

 

この2作品は本の虫だった私の姉より紹介してもらった作品です.

当時,活字本に抵抗があった私ですが,それぞれの作品の世界観に惹かれていきました.

 

書籍情報

タイトル:海の底

著者:有川浩

出版社:角川グループパブリッシング

 

タイトル:シアター!

著者:有川浩

出版社:アスキー・メディアワークス

 

海の底

横須賀米軍基地でのイベント中,突如現れた巨大生物から身を守るために潜水艦に籠城した少年達の物語となっています.数人の大人と多くの子ども達が主要な登場人物となっており,当時の私としてはとても感情移入しやすい作品でした.潜水艦の中という過酷な環境での生活とそれに伴う子ども達の葛藤が描かれており,非常に読み応えのある作品でした.

 

シアター!

借金を抱えた劇団が借金返済のため試行錯誤するという物語で,ここまで聞くとありふれた内容の作品だと感じると思います.この作品のアピールポイントは,しっかりとした数字を作中で明示しているところにあります.よくある物語では「借金あります,工夫します,繁盛します」というふわっとした流れになっていると思います.しかし,この作品では「これだけの借金があって,チッケットがいくらだからこれだけの動員数が必要で,こういうことをするにはこれだけの経費がかかる」というようなしっかりとしたお金の話が組み込まれています.私はフィクションにおける工夫をしたら,理由はよくわからないけど成功しましたといった流れが苦手だったため,この作品を読んだときは衝撃を受けました.

 

全く毛色の違う2作品ですが,どちらもフィクションでありながらしっかりとした現実的な目線があり面白い作品でした.

 

海の底 (角川文庫)

海の底 (角川文庫)

 
シアター! (メディアワークス文庫)

シアター! (メディアワークス文庫)